just one of those things

知っているよ
ありふれたことだって

知っているよ
きっと、至る所で、同じような痛みを抱えている人がいるって

知っているよ
避けられないことだって

いつか
いつか確実にやってくることだって

知っているよ

特別なんかじゃない
ありふれたことだ
何度もそう言い聞かせているよ

でも、
でも、
特別なんだ

grief work 1

grief work　のステップ

1．ショックと否定

―――

今、この段階なのか？


まるで、実験をしているようだ
被験者は、私自身だ

―――

何があったって、生きていかなきゃいけない

クビにならないためには、取りあえず、最低限
会社に行かなければ始まらない訳で

やっぱりお腹も空く

会社に行くためには、最低限の家事をしないと
着ていくものもなくなるし
作るなり買うなりしないと、食べるものもなくなる

何かに追われて、忘れている時間もある

ふと思い出して、でも、やっぱりまだ信じられなくて
今でも、何かの間違えなんじゃないかと思っていて
夢をみているようで、混乱する

わあっ
と叫びだしそうで、
涙もしばらくはでなかったけれど
現実を確かめる度に泣けるようになった

―――

生きていかなきゃならない、と思える私は、
お腹が空く私は、
泣くことができる私は、

まだ、幸せなんだね

遠い遠い偽者の被験者だ

この痛みも
生きているから、味わっているんだ、と思える私は、
まだ、幸せなんだね

anniversary

一年前の今日、電話が鳴った

携帯の小さなディスプレイを見つめて固まった

消さずにはいたけれど、
きっと二度と見ることがなかったと思っていた名前が
浮かび上がっていた



きっと
意味なんてなかったんだと思う
ほんの気まぐれにすぎなかったんだと思う

でも、
それは、私にとって、大きな転機になった

you never know


決して消すことのできない、変えることのできない
過去に
忌まわしかっただけの過去に
光が差した

乗り越えることも、忘れることもできないけれど
そこに確かにあったあたたかさを、教えてくれたから

それを抱えながら生きていくんだ、ということを
ほんの少しだけ、分かった気がしたから

you never know


もう届かない、ありがとうを、
今日、また改めて
贈ります

mourn

『願えば叶う』　なんて　嘘だ


どうしたって届かない願いがある
分かっているよ
分かっているけど

酷だ

pray

私は医者じゃないから、祈るしかない
できることは、信じて、祈ること

お願い

連れていかないで

お願い

お願いだから

もしも、分け合うことができるのなら、
もしも、そんなことが許されるのなら、
少し、持って行っていいよ
いいから、だから、お願い

いってしまわないで